Thursday, September 15, 2016

だます、だまる、ダメ


以前ドイツ語の接頭辞<ab->に関連して次のようなことを書いた。(<ab->は英語でも、abduction、abnormal、absent、 abstract などがあるが、<xxから奪い取る>といった基本的な意味がある。)


(*)だます

日本語は結構豊富で<だます>以外に

たぶらかす (<たぶる>という動詞があったのだろう)
ごまかす (<誤魔化す>は当て字だろうが、<誤魔>はおもしろい組み合わせだ。<だます>の関連、連想語か)
惑(まど)わす
かどわす(かどわかす)
まぎらす(まぎらわす)
まるめこむ
ばかす(化かす) - ばか(馬鹿)と関連があろう。

だま(dama)、ごま(goma)、まど(mado)、かど(kado)、まぎ(magi)はなんとなく語呂が似ている。

辞書によると<だます>の古語に<おびく>というのがあり、現在<おびく>自体は使われないが

おびき寄せる
おびき出す

は使う。


<だます>には<だまかす>という言い方があるが、いづれも他動詞。対応する自動詞は<だまる>だが、表面的な意味では<だます>の意の自動詞にならな い。この<だまる>の他動詞は<だまらす>で、<何も言わせない>という意味になる。<だます>の受身形は<だまされる>で、こじつければ<だまされる>ということは<(何も言わずに)いいなりになって、(だましの)指示にしたがう>こ とではある。

日常よく使う<だめ(ダメ)>は多義語だが、<だまる>関連だろう。<ダメ(だまれ)!何も言わずに、言うことを聞いて、指示にしたがえ>ということだ。<だめる>、<だめさす>、<だめさせる>という動詞はないが、<ダメ、と言って、何も言わさせずに、言うことを聞いて、指示にしたがわす>といった意味になるか?

<だめ(だ)、だめ(だ)>で禁止の意味になる。

 一方<だめになる>、<だめにする>はよく使うが、この場合の<だめ>は<使えなくなる>、<使えなくする>の意味として使う場合が多いのでこの<だめ>は<使えない>の意味になる。

<だめでもともと>もよく使うが、これは<うまくいかないくて、もともと>の意なので、<だめ>は<うまくいかない>の意になる。この場合<だめだ、だめだ>、は上記の禁止以外に、<うまくいかない>嘆きの言葉になる。<ああ、もうダメだ>。

これまた日常よく使う<ばか(バカ)>では、<ばかにする>という言い方があるが、これは<馬鹿にする>というよりは<馬鹿と見なして対応する>の意だが、<化かす>を使えば<簡単に化かせられる、と思って対応する>といったやや複雑な意味になる。いづれも非難の言葉だ。このような言動は、自分は他人より賢いと思っている人たちの言動だが、世間でよく見られる。当然好ましいことではない。この<他人より賢い>は英語に to outsmart という動詞があるが、非難と言うよりはほめ言葉のようだ。<賢い>でも clever と smart と wise の違いがある。


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